デイケアうさぎ・臨床美術のごあんない
臨床美術とは
創作活動を通じて脳の健康維持を図る美術療法で、脳機能が有意に活性化されたというデータもあります(東北福祉大学感性福祉研究所芸術療法班)。 初めてでも自分らしい創作表現ができる「五感で感じて描く」制作プログラムです。
臨床美術の特徴的なプログラム
臨床美術の特徴的なプログラムに「量感画」という技法があります。描く対象の見た目よりも、「実態」を感じながら描きます。たとえばリンゴを描く場合、触ったり、食べたりと五感でリンゴを描く場合、触ったり、食べたりと五感でリンゴを丸ごと漢字、まずは中身の色、香りや味の色、皮の色を重ねていくことで、経験が少ない方でも自分が感じたリンゴを「描けた!」という実感がもてます。
①輪郭を描いて色を塗るのが一般的な描き方。
丸い立体を輪郭線でとらえるのは難しく、色もリンゴ=赤というイメージから単純になりがちです。
②リンゴの中身から感じられる色を選び、輪郭線ではなく小さな点からスタート。
③重さやぎっしりと詰った中身を思いながら、育てていくように大きくしていきます。さらに、色や香りから感じとった色も加えます。
④皮の色を観察してできるだけたくさんの色を選び、かぶせるように重ねていきます。
中身の色が下地となり、複雑な風合いが出て厚みのある作品が完成します。
テーマがプログラムごとにあります
今回のお題はアロエです。
① 題材をよく観察する
見るだけでなく、触ったり匂いをかいで特徴をつかみます。 まずはゆっくりとアロエを観察。食用、化粧品、薬用などでもおなじみのアロエは暖かい土地に自生。膨らんだ葉やとげの形状、色、質感を目で見たり、手で触ったり、匂いをかいだりして五感で特徴を感じ取ります。
(写真)赤い花が咲きます。たっぷり水を含んだ葉は柔らかいですね。
② 背景を入れる
アロエが茎を伸ばしたくなる背景に
春の空気、風、湿度、香り・・・を感じる色を2色選び、刷毛とスポンジで背景に色をつけます。春の空気を画面いっぱいに広げるように。(写真)水で溶いた絵具を刷毛にたっぷりつけて。
スポンジを使うことで緊張しすぎることなく描けます。
③ 青墨でアロエを描く
紙からはみ出るくらいにのびのびと
背景色が乾かないうちに、筆にたっぷり青墨を含ませて根本のところから葉を描きます。立ち上がっている葉、広がって生えている葉、・・・気になる形の葉を中心に描きます。
(写真)アロエの生命力を感じながら、成長する様子を思い浮かべて。
④黒墨で葉の特徴を出す
厚みや動きを出すために加筆
葉の手前や分厚くなっているところに濃い墨を足し、力強さや遠近感を出します。スッと伸びた感じを出すときは筆を立てて、どっしりとした感じが出すときは筆を寝かせて描くのがコツ。
(写真)スッと上に伸びている葉を黒墨で入れます。
⑤ オイルパステルを重ねる
休憩(体操)のあとはいよいよ仕上げ。 緑以外の色を入れます。 ニョキニョキと墨で影のようになっている葉にオイルパステルで色を重ねます。トゲや迫力のある葉元、丸みのあるところ、スッと伸びたところなど、気になる場所を中心に。緑以外の葉の色や線を加えます。複数の色を使うことで、絵にだんだんとメリハリがつきます。
(写真)パステルの腹を使ったり、指でこすったりするのもOK。
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